このほど改選された逗子市議会の正副議長が決まった。議長、副議長それぞれに議会運営の方針や課題について聞いた。
条例に沿った運営を
議会の顔役ともいえる議長職に1年の間を空けて再任。議員の中では最年長、議長も3度目のベテランで「気負いはない。淡々粛々と円滑な議会運営に努める」と頼もしい。顔ぶれが変わり、世代交代も大きく進んだ逗子市議会。職責のひとつに規範に沿った議会運営をあげる。
前期4年間では勢力争いや議員間のトラブルなど、議会本来あるべき姿とはかけ離れた場面が目立った。こうした経緯を背景に今年2月、運営の基本原則を定めた議会基本条例が可決。議会の規範、ルールが明文化された。「ただ条例を作るだけでなく、その後正しく機能させてこそ意味がある。市民にしっかりと今の議会の姿を示していかなくてはならない」と強調する。市民との意見交換会や議会報告会の開催も意欲的で「市民の生の声をいただきながら、開かれた議会を目指したい」
まちの喫緊の課題としてあげるのは海水浴場問題。飲酒や入墨の露出などを禁止する改正条例案は可決されたものの、行政と海岸組合の主張は平行線を辿っており、先行きは不透明なままだ。海水浴場の規制には賛成の立場で「今の逗子海岸は観光面に寄りすぎている感がある。市民が安心・安全に楽しめる海に戻すことが第一義」と訴える。
少数派の意見も大切に
4期目にして議長のサポート役という立場に就いた。初めての大役に多少の戸惑いはあるものの、「議長とともに議会の立て直しを図りたい」と歩むべき道筋は見据えている。
議決は当然ながら議員の多数決によって行われる。ただ「いくら民主主義でも、少数派の意見が排除されるようなことがあってはならない」と警鐘を鳴らす。少数派とはいえ、議員は信任を得た市民の代表。その意見も市民の代弁に他ならないからだ。「色々な視点、角度から問題を追及することが重要。しっかりと議論ができる環境を整えたい」。そのためには議長と同じく、議会基本条例の遂行が要と考える。「派閥や役職を争うのではなく、原点に立ち返って議員本来の姿を示すのはベテランの役目」とけん引役としての役割も自覚している。
粘り強く丁寧に、をモットーに議員活動に取り組んできた。中学校給食導入や小児医療費の助成は議論初期から一般質問で追及してきた一人でもある。何かを変えるには時間がかかる。議会基本条例を軌道にのせるのも根気強く取り組む必要があると心得ている。
自身にとって任期の1年間は議会運営の視点を持てる学びの場でもある。「議長の支え役として職責を果たしたい」と気を引き締めた。
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