「ユース五輪セーリング競技(ウインドサーフィン)」に日本代表選手として出場した 池田健星(けんせい)さん 逗子市久木在住 15歳
目指すは6年後の大舞台
○…8月、中国・南京で行われたユース五輪。アジア予選では日本人トップの成績を収め、世界への挑戦権を手にした。本戦では初日を終えて2位とメダルを狙える位置につけるも、その後は頂点を狙う焦りから本来の実力が発揮できず結果は7位。悔しさが残った。が、このままでは終わらない。「貪欲に練習して、今よりもっと速く」。未完の大器は今、苦杯を糧にさらなる成長を遂げようとしている。
○…逗子に引っ越してきたのを機に父とウインドサーフィンを始めたのが小学1年生の時。「最初は沖に流されてよく泣いてました」とはにかむ。些細なことでも周りと競い合う感覚が面白く、次第に競技にのめり込んでいった。生来の勝負勘や物怖じしない性格でめきめきと頭角を現し、小学3年生で出場した全日本選手権で初優勝。以降も全国大会で優勝を繰り返し、国内の同世代では敵なしの存在に成長した。4年連続、年代別のワールドカップ代表選手にも選ばれ、先ごろ行われた仏大会では157人中5位につけるなどその存在感を世界に示した。
○…「休みの日ですか?この間ディズニーシーに行きました」。話が競技から逸れると年頃のあどけなさが表情にのぞく。現在逗子高校に通う1年生。季節を問わず放課後は毎日海へと出かけ、日が落ちるまで練習に打ち込む。合宿を除けばほとんどが自主練習と孤軍奮闘だが、視線の先は定まっている。見据えるのは6年後に迫った大舞台だ。
○…東京五輪開催時は21歳。目標を問われると「金メダル」と即答した。世界の頂点は決して絵空事ではない。世界を相手に戦うために「今足りない何か」をあと6年でどれだけ埋められるかにかかっている。原動力には、自分が青春をかけるウインドサーフィンへの恩返しの気持ちもある。「金が獲れたら、競技が有名になって選手がもっと増えるはず」。夢の先の未来図を描きながら、世界の海で帆を走らせる。
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