企画・制作/矢部房男事務所 意見広告 明るい豊かなまちの創造へ(下) 安倍政権が提唱する「地方創生」。今年は地方創生元年とも言われ、地域のまちづくりのあり方が今一度問われている。県政・市政・町政と言った政治の中で、とりわけ縁遠く感じられがちな県政が私たちの生活にどう関わっているのか。かつて神奈川県議会議員を4期16年務めた矢部房男氏に聞いた。
地域の課題に目を凝らす
――矢部さんが県政の一線から退いて8年が経過していますが、今思うことは。
「逗子市、葉山町ともに変化、発展した部分については感じています。一方で、県が主導する事柄について、本来なされているべきことや将来を見据えて今取り組むべきことが手つかず、ということが随所に見当たります。中には極めて重要度が高いものもあり、私としては少なからず危機感を抱いているところです」
――例えばどんなものがありますか。
「例えば『三浦半島中央道路』の整備です。現在南郷トンネルから湘南国際村までが開通していますが、逗子警察署そばまで繋がるのが本来の計画です。私は昨年、県職員に道路整備が今どういう状況かと尋ねたところ『協議をしている』の1点張りでした。協議をするのは大変結構なことですが、この道路は平成5年に都市計画決定され、平成20年には逗子市議会で計画促進の陳情が採択されています。その後一向に計画は進んでいません。本来であれば具体の計画を進め、遅くとも用地買収に入っていてしかるべき。にもかかわらず今なお協議をしているだけならば何もしていないのと同じです」
――南郷交差点付近には町商工会による共同店舗の開設計画も進んでいます。
「葉山町においては地域活性の拠点として期待が寄せられる施設です。逗葉新道の通過車両は多いですが、北側へ行く道ができることで重要性はより増すでしょう。陳情が採択されて間もなく協議を終えていたら、今着工できている可能性はありました。完成はいまだ目途が立っておらず、これは地域にとっての大きな損失と言わざるを得ません」
――その他では。
「特に危機感を抱いていることに河川砂防対策があります。台風などで大雨が続いた際、田越橋周辺で水位が上昇し、あわや橋に水面が届きそうな場面をご覧になったことはないでしょうか。実は逗子では昭和36年に豪雨で胸高を超える水害があったことがあります。現在は池子米軍家族住宅の建設時に整備した巨大調整池があり、逗子では時間雨量で50ミリ程度の強度があると思いますが、昨年広島で発生したような豪雨が長時間続けば、調整池が限界を超え、かつてのような水害を招く可能性もあります」
――対処方法は。
「現状、田越橋付近では、流下水量に対し河川断面が足りていません。また田越橋には中央に橋脚があって、流れを一部せき止めている実情もあります。豪雨による災害を想定するなら、河川の拡幅と橋の架け替えは不可欠です。特に田越橋は古い橋で、早急の架け替えが待たれます。またこれは県道の橋ですから、県が主導すべき取り組みであり、アプローチをするのは県会議員の仕事です」
――最後に、矢部さん自身が描く地域の将来像を教えてください。
「私は現職当時から『明るい豊かなまちの創造』を掲げています。逗子市も葉山町も将来にむかって常に可能性を持っているまちであり続けてほしいです。私自身も地域に暮らす一人として、そうした未来に向けたまちづくりのお手伝いができればと考えています」
矢部房男
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