自然の力だけで生ごみを分解できる家庭用生ごみ処理機「キエーロ」が逗子で広がりを見せている。市商工会が2013年4月に市から販売委託を受けてから2年余りで申込みは500件を突破、今年に入ってからも堅調に推移している。補助金申請や設置を代行するなど、消費者が購入にかかる手間を省いたのが功を奏したとみられ、市ではさらなる普及に期待を寄せている。
キエーロは葉山町在住の松本信夫さん、恵里子さん夫妻が十数年前に考案。日当たりが良く風通しの良い場所に置けば、バクテリアの力だけで生ごみを分解できるのが最大の特徴だ。腐敗臭や虫もほとんど発生せず、ランニングコストもかからない。市商工会によると委託開始から先月までの申込みは計518件。時期によって差はあるものの、単月あたり20件程度で推移している。
元々は購入者が補助金を受け取る仕組みが煩雑だったが、現在では市商工会が補助金申請や設置を代行することで補助額を差し引いた分だけを支払えば購入が可能になった。市が補助額を3分の2から4分の3に引き上げたこともあり、13年度の助成件数は前年の65件から4倍強の273件にまで増えた。「購入する人の手間が省けたことが一番の要因ではないか」と同商工会エコ・環境担当の独鈷広征さんは分析する。
また、逗子市で10月から始まる家庭系ごみ処理の有料化も購入の後押しになっているようだ。「最初の購入費用はかかるが、例えば生ごみが半減できれば数年で採算が取れる。(有料化を)意識している人は多いと思う」。市は、燃やすごみの4割を占める生ごみの減量に力を注いでおり、市資源循環課では「ぜひキエーロを活用して、減量への意識を高めてほしい」とさらなる普及に期待を寄せた。
キエーロは地面直置き用とベランダ設置用の2タイプで本体と黒土がつく。負担額は地面用が6200円、ベランダ用が6700円。同商工会に申込み後、自宅へ設置してくれる。
問合せは同商工会【電話】046・873・2774
逗子・葉山版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|