このほど女子バドミントンの全国大会で優勝した「逗子なぎさ」のコーチを務める 齋藤 陽子さん 逗子市池子在住 78歳
生きがい一筋これからも
○…チームが歓喜に沸いた。創部47年目にして悲願を成し遂げ、クラブの歴史に新たな1ページが刻まれた。「とうとうやったなという思い。本当に嬉しい」。コーチを務める自身はチーム最古参のメンバーでもある。10年ほど前までは20年来監督も務めた。「若い人に力がついて、一人ひとり優勝に向けた意識が高かった。それが大きい」。最も長く見守り続けてきた目に、喜びと慈愛が浮かぶ。
○…かつて市が主催した婦人軽スポーツ教室がクラブの前身。逗子に引っ越して間もなく、高校時代に嗜んだバドミントンをもう一度始めようと門を叩いた。とりわけ運動神経が良いわけではなかったというが、「元々勝負事が好きで」。選手としての才覚が講師の目に留まり、ほどなく指導をサポートするように。その後講習を経て本格的に指導者の道を歩んだ。「こっちの方が向いていたのかも。私、口うるさいし」と笑う。ただ、かける熱意は本物。市レディースバドミントン連盟の会長を発足からおよそ30年に渡って務めたほか、長年競技の振興にも力を注ぎ、3年前には県から功労賞も贈られた。
○…指導方針はクラブが代々伝統とする「粘り強さ」。大会に出場できるのは社会人まで競技経験がない人に限られるため、実力に大差があることは珍しい。接戦にもつれ込んだ際にどれだけ耐え、相手のミスを引き出せるかが鍵になる。「だから強いスマッシュよりもレシーブ力を磨くことが大事」。実際、今大会でもそうした粘りでもぎ取った勝ち星が快挙に繋がった。
○…代表からは一線を退いた今でも精力的に指導に励むほか、練習ではラケットを振り汗を流すなど現役さながら。はや半世紀近く関わってきたバドミントンは、今や自身にとって生きがいそのものだ。「チームを見守りながら、体が動く限りは続けていきたい。たまには口も出すかもしれませんけど」といたずらっぽく笑った。
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