逗子市が昨年10月に導入した中学校給食の喫食率が下降線を辿っている。導入当初、市内3校で83%だった喫食率はほとんどの月で前月を下回り、今年10月まで70%に低下。市教委では献立が一部生徒の嗜好にそぐわないことが一因とみており、生徒や保護者に献立づくりの理解を呼びかけるが低下に歯止めがかからず、担当者らは頭を悩ませている。
「味薄い」「野菜多い」の声も
市教委によると、昨年11月・今年3月・8月を除く全ての月で1〜3%、喫食率の前月割れが続いた。導入当初と比べ13%減で、単純計算で全3中学校1145人中、148人が給食を食べなくなった計算になる。
中学校給食は市の管理栄養士が考案し、市から業務委託を受けた横須賀市の業者が調理。専用の弁当等箱に入れて配送する「ボックスランチ方式」で主食、おかず、牛乳が揃った完全給食で提供する。和食の一汁三菜を基本とし、化学調味料は使わず、ダシやドレッシングも市販品を使わない「手作りの味」が売りだ。
だが一部の生徒からは「味が薄い」「野菜が多い」などの不満があがっているといい、本来アレルギー対応のための選択制がメニューの好き嫌いで利用されている可能性もあるという。
市教委は中学校給食の喫食率低下について「小学校給食と比べて、子どもたちの嗜好にそぐわない面がある」と要因を明かす。ただ、苦手な食材の「食べやすさ」を優先する小学校とは異なり、中学校で重視するのは食育を含む「教育」としての色合い。「例えば小学校であればシチューや豚汁なのが、中学校では煮物になったりする。副食の品数が増えた分、塩分も控えめになるが、成長や健康のことを考えれば必要なこと」(市管理栄養士)。
市教委では生徒らに給食について理解を深めてもらおうと、今年2月から管理栄養士が各中学校をまわる出前授業を開催。給食にまつわる歴史や厨房内の様子、献立の作り方などを指導し、実際に生徒に献立を考えてもらうなどした。また保護者に向けても、今月計3回の試食会を実施。今後も要望に応じて開催するという。市教委では「すぐ結果には結びつかないかもしれないが、地道に理解を呼びかけていていきたい」としている。
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