昭和初期、日米友好の証として米国から日本に贈られた「青い目の人形」(友情人形)の1体が葉山小学校にある。人形の名前は「メリーさん」。子どもたちに平和を伝える使者として、今も同小で大切に保管されている。県内に現存するのはわずか9体で、現在町教委が町文化財への指定を検討している。
友情人形は1927年、宣教師のシドニー・ギューリック博士が当時米国で深刻化していた日本人排斥運動に心を痛め、子どもたちを友好の輪で繋ごうと寄贈を全米に呼びかけた。贈られた人形は約1万2千体。全国の小学校や幼稚園などに届けられたが、太平洋戦争が始まると「敵国人形」としてほとんどが軍の命令で処分。同小では「人形に罪はない」と当時の学校関係者が人目につかない場所に隠し、廃棄を免れていた。
同小校長の中世貴三さんによると、人形が再び日の目を見たのが1978年頃。教材室に新聞紙で包まれているのが見つかったという。以来、同小では「人形は葉山小の宝。大切にしていくように」と言い伝えられてきた。さらに87年には博士の孫、ギューリック3世から新たな人形「キャサリンちゃん」も届いた。中世さんは「言葉だけでなく、人形を通して子どもたちに平和の大切さを伝えていけたら」と話している。
町教委はメリーさんの文化財指定について現在、文化財保護委員会に諮問。答申を経て、今年夏ごろまでの指定を目指すという。
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