葉山ハートセンター(葉山町下山口)は今月1日、心疾患の有無や将来の発病の可能性を専門医が診断する「スクリーニングセンター」を開設した。主に自覚症状がない人を対象に心筋梗塞や脳卒中といった突然死のリスクが高い疾患など7項目で検査を受付ける。同センターによると自由診療で特定の循環器疾患に特化した検診は全国的にも珍しいという。
保険診療と同額程度で検査
項目は「心筋梗塞」「大動脈解離」「脳卒中」発症の可能性を調べるスクリーニング検査と「心臓の働き」「足の血行」「足の静脈」「体内脂肪」を調べる計7つ。それぞれ検査項目に応じてエコーやCT、MRI、採血などを行う。料金は基本料(診察料・判断料)の2千円に加え、各スクリーニング検査料が3千〜1万7千円。いずれも自費料金の3〜4割程度に設定しており、残りは同センターが負担する。
特徴的なのは、症状が現れていない人を対象としている点だ。背景には循環器疾患による突然死のリスクがある。同センターによると循環器疾患には【1】心筋梗塞など突然死する可能性が高いもの、【2】大動脈弁狭窄症など循環器疾患と気づかれにくいもの、【3】進行とともに症状が出やすいもの――の3つのタイプがあり、樋上哲哉院長は「【1】と【2】についてはがんと同じで、気付いた時は手遅れということが多く、特に検診の意義が高い」と指摘する。実際に厚生労働省がまとめた全国の死因別構成割合(2014年)では、悪性腫瘍(しゅよう)の28・9%に次いで心疾患が15・5%と多い。
健康だが将来の発症に不安を持つ人が、特定の疾患を主体的に調べる方法はこれまで人間ドッグが一般的だった。だが、費用負担が高額な上、検査にも時間を要することが受診への足かせになっている実情がある。「突然死も予め可能性の有無が分かれば防ぐことができる。手軽に検診を受けることができればそのリスクも大幅に減る」(同院長)。心臓に関する高度先進医療を手掛ける同センターがスクリーニングを行うことで、重症疾患が見つかった際、そのまま必要な治療に移行できるという利点もあるという。同センターでは「ご自身が現在『病気』『未病』『健康』のいずれの状態なのかを検診で把握することが重要。健康であれば自信も持てる。特に高齢の方は一度チェックをしてほしい」と呼びかけている。
スクリーニング検査は月・火・木・金の午前10時から11時までに同センター外来で申込む。予約不要で、紹介状も必要ない。検査内容や料金など詳しくは葉山ハートセンターホームページ(「葉山ハートセンター」で検索)。問合せは同センター【電話】046・875・1717
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