「池子の森自然公園」の緑地エリアがこのほど開園1周年を迎えた。市によると、昨年3月から今月20日までに延べ約2万6千人が来園。土日祝日の限定開園ながら、貴重な自然が残る緑豊かな環境で散策や動植物観察を楽しめるとあって、親子連れを中心に人気を集めているようだ。
晴天に恵まれた20日、緑地エリアでは各々に祝日を楽しむ来園者の姿があった。子どもたちが追いかけっこやボール遊びをしたり、家族客が芝生でシートを広げてピクニックを楽しんだり。2歳の娘と初めて訪れた30代の女性(新宿在住)は「近所の公園だと子どもから目が離せないが、安心して遊ばせられる。開放的な場所だとご飯も美味しい」と話した。
同公園は、2014年11月に共同使用が始まった池子米軍家族住宅地区の一部40ヘクタールを整備し、15年2月に開園。緑地部分はこのうち30ヘクタールにあたる。公園を案内している逗子市体育協会事務職員の亀井陽太郎さん(53)によると、季節や天候にもよるが、多いと1日あたり300人近くが訪れる。
「野鳥観察などで毎週のように訪れる”ファン”の方もいるんですよ」と亀井さん。開園前、自然環境調査員を務めた経験があり、来園者の求めに応じて園内で観察できる動植物を紹介したり、接収以前の歴史を教えたりもする。同公園は戦時中、弾薬庫が立地していた歴史があり、当時使われたレールの痕跡なども密かな人気という。
市はこれまで子ども向けのプレイパークや国際交流イベントを開催。今後は自然観察会や新たな交流事業も開催していくという。
周辺整備も着々
同公園には手つかずの自然が多く残っており、ホタルなどの貴重な動植物も確認されている。自然環境を守るため、ごみは持ち帰り、火気の使用や動植物の採取は禁止。この1年で目立った問題はなかったという。市はマナー啓発を図る見守りボランティアを募集しており、登録者数も70人にまで増えた。
一方で、公園周辺の整備も進む。久木側の出入り口と、来園者用のトイレやボランティア用のスペースを兼ねた管理事務所が近く完成するほか、2017年度には分断されている散策路の一部と新たにドッグランを整備する。さらに公園内に文化財の展示収蔵機能を備える体験型学習施設を建設する構想もあり、市は今後、国や米軍と協議を進めていくとしている。
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