逗子・葉山版 掲載号:2017年4月7日号
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4月29日に逗子文化プラザで開かれる「小さな小さな音楽会」を主宰する成田 文忠さん逗子市池子在住 73歳

生徒と二人三脚で

 ○…今年も発表会の時期が近づいてきた。知的障害や発達障害のある人たちが毎春ピアノ演奏を披露する「小さな小さな音楽会」。今年は約30人が舞台にあがり、クラシックから演歌まで幅広い楽曲を奏でる。教え子たちの成長を楽しみに続けてきた催しも30回目。重ねてきた歳月に「生徒やご家族、ボランティア皆さんの協力があってこそ」と感謝の思いが口をつく。

 ○…教室は自宅の一室。現在はダウン症や自閉症といった障害のある小学生から40代までの20人が通う。練習は週に1回、30分が基本。音符や音階を理解できる生徒は少ないため、鍵盤にひらがなをふったシールを貼ったり、ライトで光を当てて指の動きを伝えたり。生徒ごとに指導方法を模索し、工夫をしながらじっくり教え込む。覚えるスピードこそ遅いかもしれない。それでも少しずつ、上達の証は見て取れる。「人に得手不得手があるように、障害は個性。一人ひとりの才能が花開く瞬間が何よりの喜び」と目を細める。

 ○…現役時代は飛行機のエンジニア。音楽は子どもの頃から好きで、ピアノはほぼ独学で習得した。きっかけは30数年前、自閉症の息子が障害を持つ子と親の集まりで、偶然その場にあったピアノを演奏して。楽しそうに旋律を奏でる姿が周囲を驚かせた。その後「うちの子も教えてほしい」と依頼が相次ぐように。「裁判官をやめて焼き鳥屋になる人だっている。気持ちさえあればやれないことはない」。56歳で会社を早期退職したのを機に、教室に専念することを決意した。

 ○…教えているようで教えられている―。これまでの足跡を振り返った実感だ。障害者にピアノを教える先人は周囲にいなかったため、試行錯誤の連続だった。生徒がやりづらそうにしていれば自ら工夫するしかない。「その工夫のもとは、彼らなんですよ。彼らがあってこそ今の自分がある」。生徒とともに歩んだ30年。二人三脚の音色が会場に響く。

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