逗子市が2018年度予算編成に向け、深刻な財源不足に陥っている。貯金にあたる財政調整基金が目減りし、新たな積み立ての目途が立たないことなどから、今年度と同規模の予算を組んだ場合、財源が7億円ほど不足するという。市は緊急財政対策本部で歳出削減案など検討を進めており、10月にも対応策をまとめる。
市民サービスに影響も
「過去にない厳しさだ」。先月29日の定例会見で、平井竜一市長は新年度予算編成に向けた財政状況が過去最悪との見方を示した。
市によると、16年度決算で歳入総額から歳出総額などを差し引いた余剰金(実質収支額)が前年度比約6億円減り、約4億6千万円まで落ち込んだ。同年4月の都市計画税減税で市税が伸びを欠いたほか、景気の低迷が影響し、国からの各種交付金が想定を下回ったことなどが響いた。
余剰金は、次年度予算の繰越金や財政調整基金の積み立てに充てられる。市は17年度の当初予算編成で、財政調整基金から約5億円、6月の補正予算で1億7千万円を繰り入れた。このため、7・7億円あった残高は約1億円に減少。18年度は運用の見通しが立たず、繰越金も前年度より2億円少ない3億5千万円の見込みとなったため、現状では基金と繰越金を合わせた金額だけでも7億円が不足する。平井市長は「(歳入の)見込みの甘さは反省しなければならない」と述べた。
16年度は財政の弾力性を示す経常収支比率も前年度比5・2ポイント悪化。101・5%と初めて100%を上回り、硬直化した実態が浮き彫りになった。
平井市長は新年度事業について「抜本的な見直しを検討する」とし、事業の廃止や縮小で歳出削減を図る方針。職員の時間外勤務の抑制や市有地売却などを進め、今年度事業も約2千万円の予算執行を停止する。
さらに来年度以降、市民サービスの縮小は避けられない見通しで、公共施設の運営時間短縮や市民団体への補助金の見直し、保育料改定なども検討するとした。
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