市民グループが2013年から毎月発行しているコンパクトエッセイ集「マグノリア」がこのほど50号の節目を迎えた。視力が衰えた人にも活字を読む楽しさを伝えようと、見せ方にも工夫を凝らす。「自分たちのささやかな日常を重ねた作品。ぜひ手に取ってもらえたら」と話している。
エッセイ集「マグノリア」
執筆するのは逗子や葉山、鎌倉在住のメンバーら8人。毎月テーマに応じた作品を持ち寄り、1冊1冊手作業で製本する。手に取りやすいA5サイズで、視力が衰えた人でも読みやすいよう文字を大きくし、内容も千文字程度に短くまとめているのも特徴だ。
きっかけは会代表で桜山在住の長谷川静さん(72)が「糖尿病網膜症」を患い、視力低下や失明の危機を経験して。現在は手術を受けて回復したが、「当時は小さな文字が読めず、日常生活でとても難儀した」。好きな本が読めず、外出もままならない。そんな体験や元々エッセイを書くのが好きだったこともあって、治療後、「目が悪くなって活字離れしている人たちにボランティアで冊子を届けたい」と友人らと「マグノリアの会」を立ち上げた。
冊子は逗子や葉山の公立図書館、近所の郵便局などに配架しているほか、毎号市内の高齢者施設にも届ける。4年間欠かさず発行してきたことでファンも増えたといい、長谷川さんは「毎号楽しみに発行を待ってくれている人がいるのが一番嬉しい」と笑みを浮かべる。今後は朗読版のCDを不定期で制作する予定もあるという。
目下の目標は大台の100号。順調に続けば4年後には到達する予定だ。
毎号100部刊行。希望があれば無料で提供するほか、作品の投稿も受付ける。問合せは長谷川さん【電話】046・872・3017
逗子・葉山版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|