葉山郷土史研究会(矢嶋道文会長)はこのほど、「郷土誌葉山」の第11号を上梓した。同会が編集を手掛けた、町制施行90周年記念誌「葉山町の歴史と暮らし」(2015年1月刊行)に収録しきれなかった歴史や新たな発見などを加え、記念誌を補完する「拾遺」として1冊にまとめた。
今号は同誌としては初の試みとなるオールカラー。写真や絵図をふんだんに配し、読みやすさにこだわった。記念誌発行から約2年間で得られた知見を基に約30のテーマにしぼって解説。編集部を始め同会古文書部会のメンバーらも筆をとっており、編集長の鈴木雅子さんは「オール郷土史体制でまとめることができた」と出来栄えに自信をのぞかせる。記念誌に比べてテーマあたりの解説紙面を増やし、巻末には同誌の正誤表も盛り込んだ。
本編では、丁寧な取材や調査に裏打ちされた論述の数々が、これまで知られることのなかった葉山の歴史や文化に光を当てている。同会会長の矢嶋さんはかつて鐙摺漁港にあった「土屋造船」について紹介。会社が存在したのは終戦後の1947年からわずか8年間だが、当時高い技術力を誇り、全国のヨットやボート、漁船の建造を手掛けたという。藤波勝次郎さんは昭和10年代、堀内三ヶ浦にあったとされる魚市場を取材した。かつての近隣住民に聞き取りを行い、記憶を頼りに当時の様子を浮かび上がらせている。鈴木さんは「葉山という限られた地域の中だけでも、新しい発見がたくさんある。地元にゆかりのある歴史の奥深さをたくさんの人に感じてもらえたら」と話した。
B5判122頁、1冊千円。町内では文教堂葉山店のほか、町立図書館2階の葉山まちづくり館で販売している。
問合せはNPO法人葉山まちづくり協会【電話】046・876・0421
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