久木の住宅街の一角に先月末、小さな無人図書館がオープンした。図書館、といっても屋外に設置された木製の木箱。3丁目在住の宮地藤雄さん(38)が自宅先に手作りした「リトル・フリー・ライブラリー」だ。本は誰でも自由に借りることができ、返却期限もない。宮地さんは「読書の面白さを多くの人に伝えるきっかけになれば」と話している。
本箱は約30センチ角。配架されている本はすべて宮地さんの蔵書で、司馬遼太郎や村上春樹、伊坂幸太郎などの小説から専門書まで20冊ほどが並ぶ。
トレイルランナーで海外にも遠征する宮地さん。今年8月に米コロラド州を訪れた際、民家の軒先に設置されている本箱に目がついた。米国では街角文庫として普及している運動ということを知り、「自分もやってみたい」と帰国後、見よう見まねで自作した。
ルールは一つ。「読んだら返すこと」。自宅前が通学路なこともあり、開設から1カ月ほどで徐々に利用も増えており、特に子ども向けの本が人気という。「本が戻ってきたり、位置が変わっていたり、本箱を覗くのが楽しみ」と宮地さん。
気軽に本が手に取れる場所を作り、読書の楽しみを伝えるだけでなく、活動そのものを広げたい思いもある。「本箱が地域にいくつもできて、いずれまちの風景の一部になったら」
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