「SDC♡―願いを叶える会」の代表を務める 折原 正秀さん 藤沢総合高校専門教育指導補助員 23歳
前向きな気持ち伝えたい
○…東日本大震災の被災地から湘南地区に転入学した高校生の交流会「SDC♡―願いを叶える会」。8月27日(土)に開催される復興支援ライブに高校生15人と一緒にボランティアスタッフとして参加する。福島県双葉町の出身で、自身も被災者のひとり。「人にいろいろしてもらっても、何も返せないことが歯がゆかった」。後ろ向きだった自分を変えたのは「藤沢総合高校に被災地から2人が転入してきたことがきっかけ」という。「人にやってもらうのではなく、自分たちが参加することで元気を発信したい」と意気込む。
○…会では、毎月会合を開き心のケアも行う。年齢も近く、同じ被災者という立場だからこそ「『そうだな』の一言で安心してもらえる」。おっとりとした人柄、人をホッとさせる話し方も信頼される理由のひとつだ。「ボランティアを通じ、生徒たちが前向きになれれば。自分の存在価値を知ってほしい」と切に願う。
○…高校まで双葉町で過ごし、東海大学へ進学。大学卒業後は地元での就職が決まっていたが、震災に遭い帰省できなくなった。「家も職もなくなった」と肩を落としたが、知人からの「あなたがしっかりしなきゃ」の喝で前を向いたという。現在は高校で農業を教える。「大学時代に子どもたちと畑をいじる機会があって、食育に興味を持った」という。学校の畑では野菜や花などを育て「野菜がみるみる育っていく過程を見て、自分も勇気づけられる。楽しい」と満面の笑みを浮かべる。
○…日々SDCの活動に尽力するも、大学時代の友人に会うのも楽しみのひとつ。「みんなそれぞれができることを考えている。SDCの活動の話をすると、みんな『前を向けた』と言ってくれる。大きな力になっていると実感できる」。穏やかな口調ながらも、胸に秘めた熱い想いを感じた。
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