内閣府の「地域における自殺の基礎資料」によると、藤沢市の2010(平成22)年の自殺者は76人。これは、神奈川県内でみると横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市に次ぎ5番目の数だ。9月10日(土)から16日(金)の自殺予防週間に合わせ、藤沢市は11日(日)に「こころサポーター養成講座」を開催する。
市内の自殺者数は、2000年から09年までの間で747人に上る(県衛生統計年報・人口動態)。自殺率(人口10万人当たりの自殺者の数)も1992年の9・9に比べ、09年は21・6と増加傾向にある。
今年2月に警察庁が集計した統計によると、全国の自殺者はここ数年、3万人を大幅に上回っている。
神奈川県では、毎年2000人近くが自ら命を絶ち、東京都、大阪府に次ぐ多さ。しかし、昨年の自殺率は21・25で全国44番目となっている。
2年前に発足した市の自殺対策協議会は「自殺者の7割は男性で、中高年が大半を占める」と話す。理由は、経済苦などからくる健康問題が主。うつ状態にもかかわらず、医師の診療を受診していないケースも多々あるという。
また、半数以上が自宅で自殺しており、中でも縊頸(いっけい)(首つり)が多い。「うつには女性がかかりやすく、リストカットなどの自傷行為が多く見られるが、未遂で終わることも。男性は1人で抱え込むことが多く、完遂してしまう」と同協議会。
自死遺族の交流湘南で初開催
自殺対策協議会は、医師や警察、弁護士ら約20人で組織される団体で、「気付き、見守り、支える」をテーマに掲げる。活動としては、未遂者の再発防止対策やうつ病対策など。
未成年に対しては教育委員会が、自殺予防のリーフレットを作成するなどし、啓発に取り組む。協議会では「近年、聞いている範囲では市内小、中、高校生の自殺は1件もない」とした。
藤沢市保健所の地域保健課では電話相談「安心ダイヤル24」も実施しており、病気などに関するメンタルヘルスの相談は毎月300件ほど寄せられる。
12月20日(火)には藤沢産業センターで、湘南エリアで初となる「自死遺族わかちあいの会」を実施。これは県内では大和市などで行われていたもの。家族を自殺で亡くした自死遺族が自らの体験を語り、参加者の交流を通して悲しみや痛み、情報を共有することを目的としている。
話聞くことで救われる命も
「安心な地域を作るには、小さな気付きから。職場復帰の支援などを継続することが、遠回りだが一番の近道では」と協議会は話す。
9月11日(日)は藤沢市保健所で「こころサポーター養成講座」を開催する。時間は午後2時から4時まで。自殺に気持ちが傾いた人と向き合うため、相手の話を聞き、言葉と気持ちを受け止めることを学ぶ講座となっている。講師はNPO法人シニアライフセラピー研究所の鈴木茂氏。定員50人。
問合せは、保健予防課【電話】0466(50)3593まで。
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