藤沢総合健診センター 光警報装置で火災避難 全国初 効果検証し普及へ
消防庁が行う光による火災警報装置(光警報装置)のモデル施設に、藤沢順天医院藤沢総合健診センター(鵠沼橘)が選ばれ1月24日、全国で初めてとなる避難訓練が行われた。同庁は、訓練で装置の効果を検証し、導入・普及を図る。
光警報装置は、音による火災警報に気づくのが難しい高齢者や聴覚障害者のためのもの。国内においては、中部国際空港の他、数件の建物への設置事例しかなく、消防庁は装置導入に向けた調査のため2013年度にモデル施設を公募し、同センターを含む25施設を選定した。
同装置は13年12月、スタッフが常駐していない更衣室や通路に27個が設置された。同センター企画渉外部の磯部桐笛さんは「日頃から安全に注意をしているが、より安心安全な施設になるようにしていきたい」と話している。
警報装置の効果を把握することを目的とした避難訓練には、聴覚障害者9人と同センター職員20人程度が参加。2階のレントゲン室から出火したと想定し、音の警報のみ、光の警報のみ、音と光警報の併用による火災警報を計4回行った。それぞれ避難場所への移動時間を測定、アンケート調査も行った。
参加者全員から導入を希望する声
訓練に参加した、聴覚障害を持つ遠藤由起子さん(大和市・60)は、「光はとても良くわかった。避難する場所をもっとわかりやすくしてほしい、文字情報などもあるとよいのでは」。出口賢一さん(川崎市・64)は、「窓側の明るい席に座っていた。太陽の光が窓から差していたので、警報器の光が見にくかった」と感想を話した。
参加者の中には、実際に職場や公共施設で音だけの火災警報に気づかず、人に助けられたという経験を持つ人もおり、全員、光警報装置が広く導入されることを希望していた。
同庁は今後、他の施設でも同様の訓練を行い、今年度末までに光警報装置に係る技術基準やガイドラインを策定・公表する予定だという。予防課の鈴木健志係長は「比較的スムーズに避難できていたと思う。3月中にガイドラインをまとめ、来年度に導入普及の方法を考えていく予定」と話している。
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