ボランティア団体「海さくら」の代表として100回のごみ拾いを達成した 古澤 純一郎さん 39歳
美しい江の島へ 情熱注ぎ
○…江の島でごみ拾いを行う団体「海さくら」。立ち上げから10年目を迎え、月1回、一度も休むことなく100回の節目を迎えた。一人で始めた活動も今では平均100人が自主的に参加するほどに。「でも、数字はどうでも良くて大事なのは中身。実際、海はきれいになっていないし、まだまだ」ときっぱり。「江の島の海をタツノオトシゴが戻るくらい美しく―」。自身を突き動かすのは、シンプルで純粋な思いだけだ。
○…老舗船具屋の長男として、東京で生まれ育った。「幼い頃から相模湾に来る機会も多く、学生時代のデートもプロポーズも江の島」と自他ともに認める江の島好き。長女を授かったのを機に、「美しい江の島を次世代にも残したい」と、ごみ拾いを始めた。即行動に移すも、トングも無ければ、回収したごみの置き場にも悩まされたという。「不法投棄でないことを島内の回覧板で周知したり、協賛企業に頭を下げたり」
○…これまで「楽しく&ファンキーに」をテーマに、多彩なごみ拾いイベントを繰り広げてきた。音楽フェスに、ビーチプロレス、お笑い…。著名人や企業を巻き込み、一見、突拍子もないことにも責任と覚悟をもって挑んできた。「楽しくなければ続かないし、ハードルを下げることで環境問題に関心がない人も興味を持ってもらえれば」。一方で、型破りな活動への批判もあり、先駆者ゆえの苦悩や葛藤は計り知れない。
○…当初はすぐにキレイな海を取り戻せると信じていたが、ごみは一向に減らない。続けるにつれ「海のごみは川から、川のごみは街から、街のごみは人の心から生まれる」ことに気づいた。「挑もうとしていたことはなんて壮大なことだったんだろうって、ますます燃えました。一度決めた夢だから、絶対にあきらめたくない」。ほとばしる情熱は、いつしか多くの人の夢に。支えてくれる人々のために、美しい海のために試行錯誤する日々は続く。