職人の技やものづくりの文化を支えてきた藤沢市技能職団体連絡協議会(若林克己会長)は11月に設立40周年を迎える。10月24日に藤沢市民会館で記念式典を開き、会員ら約70人で節目を祝った。
同協議会は、洋裁技師や調理師、建築職人、理容師など、「衣・食・住・生活」の技能者を中心に構成される組織。1974年の「第1回藤沢市技能者表彰」で、「技能者団体相互の親睦や後継者育成といった問題を話し合って解決する場を」という声が挙がったことで有志代表者9人が市に設置を要請。75年11月19日に立ち上げられ、2015年4月1日現在、職種ごとに34団体、約1130人が所属している。
設立から40年、日本経済のバブル期を経て、機械化による大量生産が進行し、繊細な職人の技が失われつつある。また、少子高齢化に伴う後継者の減少、材料費の高騰など、技能業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しているという。そんな中、同協議会では技術研さんを目的とした視察研修をはじめ、担い手の確保のための啓発活動などを実施。ふじさわ産業フェスタでの技能まつりや労働会館まつりなどへの出展、小中学生対象の職業体験などを通じて、ものづくりの大切さや技術を伝えてきた。
24日の式典には協議会メンバー、鈴木恒夫市長、団体関係者らが出席。協議会への長年の功績が讃えられ、鈴木市長から会員8人に感謝状、若林会長から20人に表彰状が贈られた。受彰者を代表し、藤沢調理師会所属の嶋田昌治さんは「辛い時や苦しい時も先輩方に温かく支えられてきたことを忘れず、技能向上と後進育成にこれからも力を添えていきたい」と話した。
続いて歴代の藤沢マイスター5人が講演。仕事を志したきっかけや道具への情熱、仕事への心構え、海外での活動エピソードなどを語った。
同協議会は式典に合わせ、会員向けの記念誌と一般向けの小冊子を製作。小冊子は職業を広く認知してもらうことで後継者の拡大につなげようと作られたもので、加盟団体ごとに職人の具体的な仕事内容や魅力について写真付きで紹介している。若林会長は「これからも市民に豊かな生活を届けていきたい。50年、100年とこの団体が続くよう会員一同力を合わせて活動に励んでいく」と語った。
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