お年玉付き年賀はがきの1等に当選し、賞金を原資に育英制度の創設を目指す善行森の幼稚園の古郡理事長によると同園は毎年、市内外から約70人を新入園児として迎えている。ただ、卒園までの間に経済的な理由で通園を諦めざるを得なくなる園児がいることに心を痛めていた。「子どもの退園は待機児童の増加につながる。このままいったら日本の教育はどうなってしまうのかという危機感がある。一緒に入園した子どもたちは、一緒に卒園させてあげたい。何か方法はないか」と常々思案していた。当選が判明した後「これはサンタクロースからの贈り物なのかも。『この資金を役立てなさい』と言われているのかな」と感じたという。
救済制度の実現へ
同理事長が提案し、3月12日の学校法人善行学院理事会・評議員会での審議の結果、同園は育英資金制度発足へと舵を切った。
同制度は返済を必要としない「給付型」。経済的理由で退園を余儀なくされる在園児が対象で、保護者が望む場合に幼稚園への納付金と就園奨励費など補助金の差額について支援する。
同園によると、このような制度を幼稚園が発足するのは全国的にも稀であるため、県と市などの指導を受け、問題がなければ5月に開催する理事会・評議員会で正式決定するとしている。
「経済的にどのような困難に遭遇しても子どもたちに夢を」。次世代を担う園児たちが生き生きと育つ未来に願いを込めた。
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