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藤沢版 公開:2016年3月25日 エリアトップへ

100年超、豆腐づくりに幕 杉山豆腐店 3月末で閉店

公開:2016年3月25日

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 1914(大正3)年に創業した鵠沼海岸の「杉山豆腐店」(旧長谷川豆腐店)が3月31日(木)、その歴史に終止符を打つ。親子3代、102年にわたって営んできた老舗。地域や馴染みの客からは惜しむ声もあがる。      



 鵠沼海岸商店街の一角にある「杉山豆腐店」。店には作りたての豆腐や生揚げ、湯葉などが並ぶ。

 東京駅開業と同じ年、現在の地からほど近い場所に3代目店主・杉山儀和さん(70)の祖父・長谷川助次郎さんが、前身の「長谷川豆腐店」を開いた。昭和初期にはその息子と娘・マツ子さんが店を継ぎ2店舗になったが、息子の店はほどなく閉店。マツ子さんは夫の杉山廣義さんとともに「杉山豆腐店」として店を続けた。

 その中では戦争も経験。幸い店は無事だったが食糧が乏しい時代、「店の前にはおからを求めて長い列ができたと両親から聞いたことがある」と儀和さんは話す。

 学生時代から店を手伝ってきた儀和さんが両親とともに毎日店に立ち始めたのは68年ごろ。「好きな音楽の道に進もうと思ったが両親が一生懸命にやっているのを見て継ごうと思った」。以来、豆腐づくりと向き合い続けてきた。

学校給食支え、66年

 藤沢市では戦後、47年に小学校給食がスタート。3年後には豆腐を使った献立が採用され、「杉山豆腐店」は今年度まで小学校に豆腐などを納めてきた。「ピーク時には7つの小学校に加え、保育園にも届けていた」と儀和さん。周りに豆腐店が増えたこともあり、近年納めていたのは鵠洋小と鵠沼小の2校だが、届ける豆腐は毎朝4時30分から儀和さんが1人で製造した。献立が麻婆豆腐の時などは1校に1500丁の豆腐を届けることもあったという。3月16日に最後の配達を終えると、給食に関わるスタッフから「花束を頂いた」と思わず目尻が下がる。

 近隣の湘南学園小の児童は、少し前まで豆腐づくりの様子を15年間見学に来ていた。「その時の子が母親になって豆腐を買いに来てくれたこともある」と笑顔。

 「ここ数年の身体の疲れから70歳の節目の年で閉店しようと決めた」というが、閉店には「寂しいような、言葉に表せない思いがどっとくる」。長年通う常連客には儀和さんより高齢の人も多く、閉店惜しむ声は後を絶たない。いよいよ閉店までのカウントダウン、老舗の誇りを胸に最後まで職人として豆腐を作り続ける。

店頭に立つ3代目の杉山儀和さん。先代の母・マツ子さんは亡くなる直前の1999年まで、ともに店に立っていたという
店頭に立つ3代目の杉山儀和さん。先代の母・マツ子さんは亡くなる直前の1999年まで、ともに店に立っていたという

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