県体育・教育センター敷地内にある、築後84年の「グリーンハウス」(善行7の1の2)が保全工事に伴い、当面の間、利用が休止となる。施設を管理する県によれば、正式な日程は決まっていないが、来春2月、3月ごろから一切の利用ができなくなるという。
利用停止は、老朽化した同センターの再整備や、2020年東京五輪・パラ五輪の事前キャンプ活用のための大幅改修によるもの。来年7月からはグリーンハウスも保全のための改修が始まる。
国の登録有形文化財の登録などを訴えてきた善行雑学大学の宮田英夫さんは「瓦や壁面の傷み、ガラスの破損など、外装・内装ともに老朽化が激しい状態だった。悲願の改修工事となる」と語る。
現存最古のクラブハウス
かつて周辺一帯はゴルフ場だった。グリーンハウスは1932(昭和7)年、「旧藤澤カントリー倶楽部」の開所に合わせてクラブハウスとして建築。帝国ホテルなどで高名な建築家・アントニン・レーモンドが設計を手掛け、現存するクラブハウスとしては国内最古となる。
建物はスパニッシュ様式の瀟洒(しょうしゃ)な造り。屋根瓦が緑色だったことから「グリーンハウス」と呼ばれた。当時は2階右手が食堂、中央部は広いラウンジで、中央には大きな暖炉やバーカウンターも備わっていた。床など随所に、洒落たモザイクタイル(=上写真)が利用されている。
始球式には皇族の東久邇宮、朝香宮妃両殿下も訪れ、34年には大リーガーのベーブ・ルースもプレーを楽しみ、話題を呼んだ。戦時中は旧日本軍に接収、海軍航空隊の司令部として利用され、バルコニーや階段の装飾付きの鉄格子は武器の材料として供出されたという。戦後はGHQに接収、その後、共同住宅、合宿所へと変遷を遂げた。
現在は「玉屋食堂」として県職員や市民に親しまれるほか、福山雅治さん主演のドラマ『ガリレオ』の撮影で利用されたこともある。
改修後の供用開始は20年4月を予定。1階には総合受付が設けられるほか、2階にはラウンジ、3階にはグリーンハウスの歴史的価値やセンターの歩みを解説する展示スペースが設けられるという。
1、3階も見学可能
改修前の最後のイベントとして善行雑学大学は11月6日(日)、「グリーンハウス物語・第20話講演会&秋のコンサート」を開催する。
(株)レーモンド設計事務所代表取締役の三浦敏伸氏による講演会「グリーンハウスの望まれる修復と利活用」は午後2時20分から。普段は見ることができない1、3階部分も見学できるツアーは3時30分から、歌と演奏は4時から。定員100人。参加費無料(希望者のみ資料代500円)。宮田さんは「藤沢が誇る歴史的建造物がきれいに改修されるが、現在の姿も目に刻んでもらいたい」と話す。
参加希望者は、宮田さん【FAX】0466・82・0517、または【メール】hidemiyata@nifty.comで申し込み。11月3日(木)締め切り。
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