今年度の神奈川県保育賞を市内で唯一受賞した 秋森 ちあきさん 白旗在住 44歳
園児の笑顔は努力の賜物
○…県内の児童福施設に長年勤務し、他の模範になると認められた保育士を称える「神奈川県保育賞」を、今年度市内で唯一人受賞した。鵠沼海岸にある二葉保育園に勤めて22年。10月末に朗報が届き「まさか自分が選ばれると思っていなくて驚いた。長年勤め、園長や先輩たちなど皆に支えられてここまで来られた。驚きは、次第に感謝に変わっていった」と笑顔で語る。
○…横浜に生まれ、中3で藤沢に移り住んだ。子どもが好きでこの道を志し、最初に就職した同園で新人にも親身になって指導にあたる多くの先輩に出会った。「とても恵まれた環境」と、自然と愛着が湧き、長年にわたり同園に貢献。現在は一時預かり保育を担当し、1〜5歳児まで多くの子どもの面倒を見ている。「一時預かりは毎日違う子が利用する。母親から離れ初めて集団に入り、涙を見せる子がほとんど」。そこで、園児が安心できるよう「家での呼び名で呼ぶなど様々な方法を試す。泣いていた子が一瞬でも笑顔になったときが嬉しい」。熱心に努力する姿勢が周囲に愛され、信頼も集めている。
○…34歳のとき、初めて受け持った年長クラスの思い出が心に焼き付いている。元気いっぱいな男の子が多く「『小学校に上がった後、きちんとできるよう育てないと』と、プレッシャーが大きかった」。毎日試行錯誤を繰り返し、奮闘しながら、ついに迎えた卒園式。成長した教え子が立派に巣立っていく姿を前に「わんわん泣いた。その子たちが6年後、小学校の卒業式の後にも会いに来てくれて、嬉しさでまた涙が止まらなかった」。涙もろい一面も人柄の温かさを物語る。
○…休日は親友とカラオケ屋のシアタールームを借り「好きな歌手のDVDを見るのが好き」と話す。「子どもは一人ひとりが個性を持ち、関わり方に正解はない。素敵な賞を戴けたのを機に、さらに自分を成長させたい」と胸に誓い、今日も園児に笑顔を届ける。