起業5年未満で、県内を拠点に活動している50歳以上のシニア起業家などを対象にした「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2017」の結果が1月25日に発表され、藤沢に拠点を置く株式会社SEtech(関根弘一代表取締役)が最優秀賞の神奈川県知事賞を受賞した。
同グランプリは長年培った経験を活かした起業や地域の活性化に貢献できる起業家を応援しようと、県が今年初めて実施したもの。すでに起業している人を対象にした「ベンチャー部門」と、起業予定者などを対象にした「プラン部門」があり、ベンチャー部門には27件、プラン部門には86件の応募があった。学識経験者や起業家などからなる選考委員会が書類やプレゼンテーション内容から成長性や収益性、経営者の資質などを審査、受賞者を決定した。
発想力豊かなシニアの励みに
(株)SEtechは大手電機メーカーを退職した関根代表が15年7月、63歳で創業。介護施設を見学した際に、1台のモニターに複数の撮影画像が表示され、それらを同時に確認することが介護者の負担になっていると感じたことが起業のきっかけだったという。
メーカー勤務時代にイメージセンサーなどの開発に携わった経験と人脈を活かし、特定領域で動きがあった時だけ作動するセンサー・カメラ「居眠りカメラ」を開発。見られる側、見る側のストレスを解消し、省エネにもなる監視・見守りシステムとして事業化した。
また、大腸がんの発見が遅れたことによる死亡率の高さにも着目。早期発見や未病の改善につなげようと、便座にセンサー・カメラを組み込んで便を撮影し、便潜血の有無や色などを継続的に観察する「健康便座」の開発にも取り組み、すでに大手衛生機器メーカーからも注目されている。
関根さんは「今は延長しても65歳が定年。肉体年齢ではなく、発想年齢で定年を決めてほしい。受賞が発想力豊かなシニアの励みになれば」と話し、「今後、量産化が実現すれば発想力豊かなシニアを雇用していきたい」としている。
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