沿岸部に立地する湘洋中学校に建設していた津波避難校舎が完成し、4月から供用開始となる。校舎には1300人の避難者が収容可能で、平常時には子どもたちの教室などとして使用される。
津波避難校舎は鉄筋コンクリート造りの4階建てで高さ約15メートル。既存校舎への風通しを考慮して、1階部分は柱だけの構造で2から4階に教室、毛布や食料などの備蓄倉庫を配置し避難用の外階段も設置された。
津波避難想定の地上8メートルを上回る3、4階と屋上が避難施設となり、既存の校舎と合わせると収容人数は3525人となる。総事業費は約6億8500万円。
同校は、海岸から200メートルに立地し、第1種低層住居専用地域で風致地区にも指定されている。近隣一帯には中高層建物や高台はなく、津波対策が課題となっていた。
住民の要望受け
藤沢市は2012年に神奈川県が発表した津波浸水想定に基づき、同地域の津波対策に取り組み始めた。調べにより、同地域の最大避難者数は2860人で、三角屋根で屋上が利用できない既存校舎では、600人余りが収容できないことが喫緊の課題となっていた。
また13年に同校PTAが2万5000人分の署名を添え、高さ、強度を兼ね備えた「子どもたちの命を守る施設」の整備を要望し、地域住民と一体となった検討が進められた。学区内の大型宅地開発で児童数が増えることが予想されていたこともあり、新校舎の建設が決められた。
市教委は「校舎が完成しさらに安心・安全を確保できたと思う」と話した。
藤沢版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|