「食べて復興支援プロジェクト実行委員会」委員長を務める 高橋 貴之さん 鵠沼海岸在住 48歳
熱く優しい兄貴分
○…片瀬西浜海水浴場の4軒の海の家で7月から始まった「食べて復興支援!みんなで食べようしらす丼 地産地消&福島県復興支援プロジェクト」の発起人として実行委員長を務める。「1シーズンだけで全国から300万人を超える人が集まる湘南海岸なら、きっと支援のいいPRが出来るはず。来年以降はもっと参加店を増やし、長く続けられる企画にしていきたい」。不安や迷いはまったく感じさせない。
○…自身も東日本大震災発生の翌月から、友人のいる福島県に自ら車で物資を運び、時にはラーメンの炊き出しを行うなど足繁く被災地へ通った。その数1年間で20回以上。「現地で怖い思いもしたが人の温かさに触れ、いい経験をさせてもらった。何事も自分の目で確かめてみないと気が済まない性格。こう見えて生き方がアナログな人間なんで」と笑い飛ばす。それから6年経った今年4月、知り合いを通じて福島県喜多方市の米を使った復興支援企画が持ち上がった。海の家の経営者仲間や藤沢の漁業関係者に自ら掛け合い、実現に漕ぎ着けた。
○…大越小、一中、西高と一貫して藤沢育ち。昔から兄貴肌で、「なぜか悪い友だちに人気があった」と笑う。大学卒業後はサラリーマンとしてアパレルや飲食店業界で働いてきた。32歳で夢だったレストランバーを地元藤沢で開いて独立。今では居酒屋や海の家も開き、しらすをモチーフにしたゆるきゃら「しらっすー」を生み出し、各地で藤沢をPRする活動も精力的に行っている。「思いついたら即行動」。この一言に全てのエピソードが裏付けられている。
○…「東京五輪はこれ以上ないビジネスチャンス。今後は海外の人を対象にした仕事も拡げていきたい」と次なる目標も明確だ。「まずはこの夏、ファミリーで賑わう西浜を海の家で仲間と楽しく盛り上げていきたい」。明るく元気な声と笑顔は、真夏の湘南海岸に欠かせない。