長年にわたり、日本とインドネシアの若者の交流活動を推進するNGOの代表を務める 和賀井 稔さん 亀井野在住 56歳
途上国支援し 懸け橋に
○…約20年に渡り国際教育支援を目的に、日本とインドネシアの学生の交流活動を推進しているNGO「湘南とアジアの若者による未来創造事業実行委員会」の代表を務める。ほぼ毎年インドネシアの大学生を藤沢に招き、特別授業として小中学生らに同国の文化を伝える活動を続けている。また今年7月から8月にかけ、市内の高校生たちとともに同国に滞在し、現地のNGOと協力して貧困地域の学校などを訪問。六会中の生徒などから寄付された文房具も寄贈した。「同行した高校生は自分たちで集めた寄付金も贈呈。良い国際経験を積めたと思う」
○…インドネシアとの出合いは、市内で中学校教諭として勤務していた30歳の時。若手指導者を対象にした県の海外派遣事業を知り、「この年はたまたま行き先がインドネシアだった。途上国の実情を直接見てみたい」と参加した。20人ほどで同国を訪問し、地元の青年たちを前に「浴衣姿で盆踊りを披露したり、長渕剛の『乾杯』を歌ったりして文化交流を深めた」。貧困層の現状も目の当たりにし、以後、同国への生活支援への関心が高まった。
○…川崎市に生まれ、中学1年で六会中に転校。高校時代、「微分積分など初めて知る世界について、丁寧に面白く教えてくれた」数学教諭に感銘を受け、教師を志した。大学卒業後は鵠沼中、明治中などで数学を指導した。ソフトボールが好きで、市内のチームに25年ほど所属。ピッチャーとして月2回ほど試合に臨んでいた。息子2人を育て上げ、家族で行った沖縄旅行も良い思い出という。
○…8日間の活動を終え、8月4日にインドネシアからの帰国。「経済発展が続き、首都のジャカルタなどはかなり豊かな街に変わってきた」と振り返る。今後の目標は、両国の交流事業の継続。「若者には積極的に世界に出て、見聞を広げてほしい。これからも両国の架け橋であり続けたい」と熱意を語った。