最新号:2012年2月 3日号
2010年8月27日号
○…「親父の代から凧が好きでね。戦前の鎌倉では5月の節句にもなると、海岸に多くの凧があがっていたんだけど」と懐かしそうに話す。「今の子どもたちは凧揚げしないからね」と少し寂しそうでもある。それでも、凧揚げの楽しさを伝えていきたいと、「鎌倉凧の会」の副会長として、凧揚げ大会などを開催する。9月には18日と25日に凧作り教室を鎌倉生涯学習センターで開催予定だ。
○…同会は30年ほど前に、鎌倉など神奈川に伝わる正方形が特徴の「相模凧(別名:鎌倉凧)」を保存する目的で作られた。鎌倉は海沿いという立地上、良い風が吹き、「昔は凧が盛んだった」という。しかし、第二次世界大戦中の1940年、凧の“うなり”が飛行機の爆音と似ていることから凧揚げが禁止された。「それ以降、戦後も凧揚げが廃れてしまった」。寂しくなった空を埋めようと、毎年4月から5月にかけて坂ノ下で鯉のぼりをあげている。浜辺から空に続く鯉の数は数十匹になることも。
○…凧作りも得意で「今まで数千人の子どもたちに教えてきたかな」。最大6畳の凧を作ったこともあり、男の子の孫が生まれる度、名前を記した凧を作ってきた。「今じゃ、孫も大きくなって揚げてくれないけどね」と苦笑い。凧の魅力を聞くと「どんな風に揚がるのか考えながら作っているのが楽しい。子どもたちも自分の凧が揚がった時は感激しているよ。それを見るとまた嬉しくなる」。
○…普段は都内で印刷会社の代表として働く。始発の江ノ電に乗り、出勤。毎日10時間は働くバリバリの現役だ。「80歳までは働きたいね」。実は凧以外の趣味もあって「軍艦好き」でも知られる。「晴れたら凧揚げで、雨なら家で軍艦を楽しむ。晴耕雨読だね。趣味は2つくらいあるとボケないでいい」。凧作り教室の後、10月には参加者で凧を揚げる。「空が展示場」になる日が楽しみだ。