(財)かながわ考古学財団が発掘調査を行っている下馬周辺遺跡(由比ガ浜2丁目)で3月5日(土)、発掘現場の見学会が開催される。鎧(よろい)や埋蔵銭などの遺物や遺構を展示し、調査研究員による出土品の解説も行われる。
下馬周辺遺跡(約1900平方メートル)は、鎌倉警察署の建設にともなう埋蔵文化財調査から発掘が始まった。調査は2010年6月から行われており、現在までに、36軒の竪穴遺構や250基を越える土坑、3基の井戸址などが発見されている。土器や陶磁器をはじめとする多くの遺物も、現場から出土している。
遺跡は鎌倉時代から室町時代にかけてのものが主体。竪穴遺構(方形・長方形の穴を堀り、上部を屋根とし、板を立てた壁際床面に切石を積むなどした構造。住居や倉庫などに使用)は鎌倉市内の発掘調査で数多く発見されている。今回の調査では、竪穴遺構の床面の穴から鎧や埋蔵銭が出土した。鎧は「腹巻鎧」と推定され、同財団によれば「一部が見つかる例は県内でもあるが、大半が残った状態での出土は珍しい」と話す。
埋蔵銭は、緡銭(さしぜに)(一差し100枚ほどを紐で綴ったもの)の状態で発見されており、21差し分が出土されている。当時の銭は、中国大陸で生産・流通していたものを輸入し使用。市内では、第一小学校でも出土している。銭を埋蔵する理由には貯蔵や祭祀目的などが考えられるという。
見学会は午前10時からと午後1時30分からの2回。荒天時は翌日順延。入場無料。問い合わせは【電話】045(842)9888【前日】・【電話】080(6568)4394【当日】・同財団。
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