鎌倉山一丁目の「旧鎌倉園(扇湖山荘)」が、(株)三菱東京UFJ銀行から市に寄付されて先月で1年が経過した。担当の市都市景観課では、今後の活用について都市公園や民間事業者への貸与など複数の選択肢を検討しており、来年度には方向性を示したいとしている。
寄付が決定した当初から、都市公園も選択肢の一つとされてきた。しかし、老朽化による建物の補修や庭木の剪定など初期投資が必要であり、その予算確保が難しいのが現状だ。
都市景観課では、旧鎌倉園の活用方法を話し合う「検討会」を今年7月に発足、これまで2回会合を持ってきた。検討会は、全庁的なもので、各課担当者が参加しているという。
検討会の役割は、長期的な活用計画を立てるとともに、暫定的ながらも市民への公開を実現すること。
長期的な活用計画としては、初期投資を行い広く市民に開放する「都市公園」や、民間事業者に無償貸与する代わりに、建物等の維持管理を委託する案などがあるという。しかし、2万平方メートルを超す土地(庭園)は、年間数億円の維持管理費が見込まれ、その費用も課題の一つだ。
同課では旧鎌倉園の活用方針を、市の後期実施計画(2012年度〜15年度)に盛り込みたいとしている。現在は、市職員が定期的に建物の風入れや庭木の管理など、最低限の管理を行っている。
旧鎌倉園は、戦前の和風文化を伝える大型遺構とされており、土地面積は約2万3400平方メートル(公簿面積)。外周は緑地で囲われ、内側に日本庭園や本館および茶室がある(建物面積は約1740平方メートル)。
1934年に、製薬会社創業者の鎌倉山別邸「扇湖山荘」として建設。その後、美術館を経て戦後は、料亭「鎌倉園」となった。81年に三和銀行(当時)が取得し研修所として活用してきたが、99年に閉鎖。合併が繰り返され、最終的には三菱東京UFJ銀行の所有となった。
以前から、市に購入の提案が行われてきたが、結果として昨年の寄付となった。
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