専属の靴職人としてレディー・ガガさんに作品を提供している 舘鼻 則孝さん 梶原出身 26歳
多才なクリエイター
○…米国のシンガーソングライター、レディー・ガガさんが履く、かかとのない独特のデザインが施された靴。2010年に制作依頼を受けてから、専属アーティストとしてこれまでに20足以上を提供している。「海外で活躍することで、日本が注目されるようになれば」と思いを語る。
○…母親が人形作りの先生で、周りには手作りのものばかり。「欲しいものがあれば自分で作ればいい」という環境で育った。高校生の頃には、母の手ほどきを受けながら服を自作。「日本を盛り上げるためには、海外で活躍しないと」。かなり戦略的な海外志向を持ち、東京藝術大学で「日本のファッションを学ぶため」着物の染織を専攻。大きな転機となったのは卒業制作。「和と洋の間のものを作ろう」と生まれたのが「『ぽっくり下駄』の発展型」という靴だ。それをひっさげ、世界中のファッション関係者にメールを送ったところ、ガガさんのスタイリスト、ニコラ・フォルミケッティさんの目に留まった。
○…梶原に育ち、長谷幼稚園、深沢小学校、深沢中学校と歩んだ、生粋の鎌倉っ子だ。息抜きは、の問いに「好きなことをしているからなあ」と思案しながらも「鎌倉に帰ると落ち着きます。帰省したら光則寺や由比ガ浜には必ず行きますね。一人でお寺の縁側でくつろいでます」と笑う。鎌倉から旅立ち、今やパリ、ニューヨークと世界を股に掛ける。「頑張ればやれるもんですね」と目を細める。
○…俯瞰的にものごとを見る力がある。靴を作る傍ら、CDデザインやウェブサイト制作など、総合的な企画も行う「マルチクリエイター」だ。「伝えたい思いがどれだけあるかが重要なので、媒体は一つじゃなくてもいい。幅が広がればいろんな人に伝えられますから」と話す。「個人のライフスタイルをプロデュースしたり、アーティストが世に出るきっかけを作ったりもしたい」と、今後の展望を語った。