安国論寺(市内大町)にある名木・妙法桜の後継樹育成が、このほど成功した。今月12日には、住友林業(株)(東京都千代田区)が手がけ、生育した苗木3本が同寺境内で披露され、玉川覺祥住職と初対面した。
妙法桜は樹勢の衰えから、枯死が心配されていた。同時に根に病気を持っているため、枝を利用する挿し木や接ぎ木では病気に感染する恐れがあった。
同寺から再生の依頼を受けた住友林業は、芽の分裂組織「茎頂」を材料に組織培養を実施。研究を重ね、約3年で育成に成功した。
現在、苗木は同社の筑波研究所で育成されており、桜を植えるのに適している冬に、境内へ植樹予定だ。
妙法桜は日蓮聖人の桜の杖が根付いたとされ、樹齢は750年ほどと言われている。玉川住職は「貴重な桜が当代で枯死するのを防ぐことができ、ほっとしている」と話している。
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