七里ガ浜の夏祭りで演奏した「七ヶ浜」発パーカッショングループ代表 高橋杏佳（きょうか）さん 宮城県七ヶ浜町在住 16歳
音楽で表す七ヶ浜の「元気」
○…宮城県七ヶ浜町を拠点に活動するパーカッションアンサンブルグループ「Ｇｒｏｏｖｅ７（グルーブセブン）」の３代目代表を務める。ＣＤを出すなど地元では人気のある団体で、今年の震災報道の中でその名が全国規模になり、各地でひっぱりだこに。ボランティアに来ていた「七里ガ浜発七ヶ浜復興支援隊」と知り合い、８月18日の七里ガ浜の夏祭りに出演が決定。「ノリの良い雰囲気に、演奏前からわくわくした」とにっこり。明るいテンポのオリジナル曲や、「２日前に完成したばかり」という新曲「ワミラ」を西アフリカの民族楽器ジャンベなどの打楽器３種を用いて披露した。
○…生まれも育ちも宮城県七ヶ浜町。小学５年生の時に学校でパフォーマンスを披露した同団体に一目ぼれし、入会。「皆で叩いている時の一体感が魅力。地元の仲間ならではだと思う」と笑みを浮かべた。チームが世代交代の節目を迎えた今年の４月に、友人の後押しもあって代表に就任。小学３年生から20代前半までの15人のメンバーを率いるものの「皆しっかりしているから、私が改めてまとめる必要はない。ちょっと背中を押しているだけ」とはにかんだ。
○…去年の３月11日は中学校の卒業式だった。帰宅直後に被災。家は無事だったものの未だに当時の友人ら全員の安否は確認しきれてないという。町に入ったボランティアと触れ合う中で「誰かの支えがあって生きてこれたんだ」と人とのつながりにはっとすることも。練習場所が避難所になり練習に制限がかかることもあったが「皆と顔を合わせるだけでほっとした。震災以後時間を大切にするようになった。あの経験を経て皆大人になった気がする」と振り返る。
○…現在は両親と３人暮らし。進学した県立宮城野高校ではダンスなどのサークルに汗を流している。新たなフィールドで出会いが増え、「世界が広がった感じ」と目を輝かせた。
