第54回市陸上競技選手権大会一般女子100mで32年ぶりに大会記録を更新した 阿部 瑛美さん 深沢高校教諭 22歳
夢の舞台を生徒にも
○…念願の高校教諭になって1年目。陸上部の顧問を務める傍ら自身も練習を継続し、7月28日に行われた市陸上競技大会の100m一般女子の部を12秒62で優勝、32年ぶりに同大会の記録を塗り替えた。「1位はとれるかも、とは思っていたけど、まさか記録更新できるなんて」と驚きの表情を見せた。
○…横浜市出身。小学6年生の時、地域の体育祭のリレーに出場する学校代表を決めるレースで、あと一歩の所で友人に負けた。「選手には選ばれたけど、とても悔しかった」と振り返る。この苦い思いから「もっと速く走りたい」と、中学に入学するとすぐに陸上部の門をたたいた。種目は短距離。「個人競技なので調整は全て自分次第。覚悟を持たないと出来ないから、練習はいつも辛い」と苦笑い。「でも試合ごとに記録や数字が残るのが楽しい。勝てると最高にうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
○…進学した県立希望ヶ丘高校でも陸上部に所属、女子部長を務めた。かねてからの憧れであったインターハイには3年生の時に出場が叶い、100mで5位に入賞。「うれしくて仕方なかった。頭の中が真っ白になってどう走ったかは覚えていない」と当時を思い返す。自らが青春を捧げた部活の楽しさを子どもたちに教えていきたいと、筑波大学体育専門学群へ。教員免許取得のための勉強をしながら短距離選手として活躍した。
○…「教え子をインターハイに連れて行きたい」という望みを胸に抱きつつ、県立深沢高校の体育教諭として奮闘中。「人を相手にするから、なかなか思い通りにいかない。難しい」と話す。生徒の試合は「自分のときよりもドキドキする」と語る。自身の競技の継続は迷っていたが「生徒の走る姿に触発されて」と練習を再開。「時間はあまり取れませんが結果を残せたらと思います。何事もチャレンジ精神をもって頑張りたい」と目を輝かせた。