鎌倉市は今年3月、鎌倉の玄関口として知られる北鎌倉の砂岩、通称「洞門山(どうもんやま)」(市内山ノ内・約2600平方メートル)を宅地開発業者から約1億9千万円で取得した。それを受け、これまで同所の保全活動を行ってきた市民団体「守る会」(赤塚朋子会長)が6月から7月に集めた募金や09年9月の「宇崎竜童のチャリティーコンサート」収益金などを合わせ、257万円を「市緑地保全基金」に寄付した。9月11日には、同会メンバーが市役所を訪れ、松尾崇市長に現金を手渡した。
「洞門山」は、JR横須賀線の権兵衛踏切から北鎌倉駅へ向かう路線沿いの砂岩。「好々亭」(2007年閉店)へ続くトンネルの赤い石門と豊かな緑が特徴で、車窓からの景観としても親しまれてきた。
08年3月に宅地開発計画が明らかになり、地域住民による「北鎌倉・洞門山を守る会」が発足(同10月)。初代会長には、建築士の坂田庄次さんが就いた。
同12月には、緑地保全を求める2万人を超す署名とともに市議会へ陳情を提出し、全会一致で採択された。
地域住民を中心とした保全活動を受け市も動き、土地を所有する事業者と交渉を続けてきた。10年2月には事業者から改めて開発申請があり、法的問題がないことから開発許可したものの、その後、工事は行われず、最終的には、市が継続して行った土地取得の働きがけに事業者が応じた。
同会では「行政が粘り強く交渉してくれた。住民と行政との信頼関係が強かった」と保全活動を振り返る。
今後、同会は行政による洞門山の安全対策を見届けて解散する予定。
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