鎌倉の社寺から震災被災地にアジサイを植栽し、地域の憩いの場を造ろうというプロジェクトがスタートした。株分け、枝分けや植栽は市内の小中学生や市民ボランティアが担い、3年をかけ約2千株を植える計画だ。
「鎌倉アジサイの苑プロジェクト」と名付けられたこの事業は、鎌倉市社会福祉協議会が主体となり、市や教育委員会、風致保存会、公園協会、造園協会などの協力で実施されるもの。市内の社寺から被災地にアジサイを植栽し、地域に憩いとコミュニケーションの場を造ることを目指す。市社協と市では震災直後から宮城県南三陸町の支援を続けてきたことから、今回の事業も同町で行う。
初年度となる今年は、同町の曹洞宗松林山大雄寺の境内500平方メートルに500株を植える予定。2015年まで3年をかけて、2千平方メートルに約2千株のアジサイを植える計画だ。同寺は震災前、樹齢300年を超えると言われる杉並木が有名だったが、その多くが津波で流されてしまったことから「地域の新たな名所に」と選ばれたという。
すでに植栽のための準備が進む。長谷寺や成就院などアジサイの名所として知られる市内の社寺の協力により、アジサイの株分けが行われている。これらの株は4月と5月に市民ボランティアの手により、現地で植栽が行われる。来年度以降に植栽されるアジサイは、社寺で剪定された枝を市内の小中学校で挿し木として育てるほか、市民からも提供を募る予定だ。
アジサイは、順調にいけば7〜8月には花をつける。市社協の金川剛文さんは「ぜひ初年度から花を咲かせてほしい。復興に向けて頑張る被災地の人々を励ましたい」と話している。問い合わせは【電話】0467・23・1075へ。
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