市教育委員会は3月12日、2012年度市指定有形文化財として5物件を発表した。2月に開催された市文化財専門委員会(松島義章会長)の答申を受けてのもの。
今回指定されたのは、「絹本著色 南都八景図(けんぽんちゃくしょく なんとはっけいず)」1帖(英勝寺)、「木造 十一面観音菩薩立像(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)」1軀(以下観音菩薩像、青蓮寺)、「多聞院文書(たもんいんもんじょ)」3通(多聞院)、「絹本著色 相州(そうしゅう)鎌倉江之島図(かまくらえのしまず)」1幅(鶴岡八幡宮)、「佐助ヶ谷遺跡(さすけがやついせき)出土の宝塔文勧進札版木(ほうとうもんかんじんふだはんぎ)」1点(鎌倉市)の5物件。
「南都八景図」は、奈良の8名勝地を描いた色紙と和歌を一対にして台紙に張り込んだ画集。絵は江戸時代前期に活躍した絵師、住吉具慶のものとみられる。
「観音菩薩像」は、カヤ材で4本の腕が大きな特徴。13世紀末から14世紀初め頃の奈良か京都での制作とみられ、優れた鎌倉彫刻の希少な作例となっている。 「多聞院文書」は後白河法皇・後嵯峨上皇・光厳上皇の院宣3通。京都に現存する新熊野社の領地だった安房国郡房荘(現千葉県館山市)の権利文書。後白河法皇院宣は市内に現存する最古の古文書という。
「相州鎌倉江之島図」は、17世紀後半の鎌倉の全景と江の島を描いた古絵図。描き方から17世紀後半から18世紀の制作と考えられる。
「宝塔文勧進札版木」は、寺院建立のために民衆に寄付を求める「勧進札」への捺印に使われたとされる。
これらの指定で、市指定文化財は300件となり、国宝15件、国重文199件、県重文69件を合わせると、市内の指定文化財は全体で583件となる。
指定された5物件は、4月から5月にかけて鎌倉国宝館で行われる特別展で展示される予定。
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