「薬膳かるた」を発表した鎌倉薬膳アカデミーの代表を務める 山内 正惠さん 台在住
食事から健康促進を
○…「健康管理は食事から」をモットーに、薬膳料理を教える「鎌倉薬膳アカデミー」を立ち上げて6年ほど。食育の一助に、と「薬膳食育かるた」を昨年8月から企画し、3月に完成させた。8人のボランティアとアカデミーの生徒の協力によって、子どもに分かりやすい内容にすべく、試行錯誤を重ねたという。「家族で一緒に楽しんでもらえれば」と話す。
○…東京生まれの厚木育ち。夫の転勤で鎌倉に移り、子育ても少し落ち着いてきたころ、小学校3年だった息子から「お母さん、今日の夕飯手抜きだね」と言われてしまった。その日のメニューは牛肉入りスープをご飯にかけて食べる「牛肉のおつゆご飯」一品のみ。「栄養面では十分だからこれで良いと思い込んでいて、食べる相手のことは全然考えてなかった。ハッとさせられた」と振り返る。これを機に改めて料理に向き合うようになり、知識を深めるため1年間単身で大阪へ。専門学校で日本料理を一から学んだという。
○…鎌倉に戻ると溜まった疲れからか、体調不良に襲われた。身体がだるく、半年ほど臥せっていたという。そんな時に出会ったのが薬膳だった。食材それぞれの効能を理解し、料理の組合わせを工夫するうちに体調が改善。「食事が健康にこれほどの影響があるなんて」と驚いた。薬膳とその考え方を広めたい、とアカデミーを開校。管理栄養士など仕事に役立てようとする人から体調不良で悩む人まで生徒の幅は広い。朗らかな性格から「先生の顔を見ると元気になる」と言われることも。「『最近調子が良い』との報告がうれしい。健康になると皆さん前向きになる」と笑顔を見せる。
○…2人の子どもは独立し、現在は夫と2人暮らし。授業以外にも全国各地で講習会を行うなど忙しい日々を送る。「休みは少ないけど全国の色々な所に行くのが楽しみ。薬膳を食卓に取り入れてもらうために頑張っています」と語った。