東慶寺 「伝統工芸 応援する場に」 北鎌倉の古刹が画廊開設
古くは「縁切り寺」として知られた北鎌倉の東慶寺が10月10日、伝統工芸をテーマにした常設のギャラリーとショップを開設した。関係者は「伝統文化を応援する場としたい」と話しており、700年以上の歴史を持つ古刹がユニークな挑戦に臨んでいる。
東慶寺は北条時宗の夫人・覚山志道尼によって1285年に開創。女性が寺に駆込み3年務めることで夫と離縁できる独自の寺法を取り入れ、近世まで「女人救済の尼寺」として広く知られた。明治期に禅寺となっている。
「東慶寺ギャラリー&ショップ」は日本の伝統工芸を紹介する場として同寺内に開設された。1階は和紙製品や鎌倉彫、染め物、東慶寺の花々のポストカードなど約150点が揃うショップ。2階が展示ギャラリーとなっている。入場無料。
寺では写経や障子などに使う和紙や、染め物など日本古来から伝わる手仕事の品を扱う場面が多い。東慶寺では「伝統工芸品を紹介し地域の学びの場としてもらいたい」とこれまでにも「和紙」「染め物」などをテーマにした企画展やワークショップを開催してきた。同施設開設はこの取り組みを一歩進めたものという。
井上米輝子(まきこ)代表は「日本には残していくべき美しい工芸品がある。紹介の場を設けることで、次世代へ引き継いでいくための一助に少しでもなれば」と話す。鎌倉には鎌倉彫といった伝統工芸品があることから「地域の伝統をつないでいく手伝いがしたい」という。
同ギャラリーの堀光子さんは「お寺を世の中へ開かれた場にしていけたら。多くの人と相互に交流して伝統を身近に感じてもらいたい」と話す。
カンボジア伝統布展示22日から
同ギャラリーで22日(火)から27日(日)まで「祈りの絵絣・ピダンとメコンの布 展」が開かれる。内戦の影響で伝承が危機に瀕しているというカンボジアの伝統絵織物を紹介。午前10時から午後4時まで。
問い合わせは東慶寺ギャラリー&ショップ【電話】0467・50・0460へ。
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