鎌倉市は12月11日、子宮頸がん予防ワクチン接種後の体調変化に関するアンケート調査の結果を明らかにした。対象者3060人のうち、約6割から回答があった。市民健康課によると、このような聞き取り調査を自治体が行って公表するのは全国で初めてという。
今回のアンケート調査は、市が一部助成を始めた2010年9月から今年8月31日までの間にワクチン接種した市民3060人が対象。今年10月に市が該当者に調査票を郵送し、約6割の1795人から返答があった。市市民健康課によると、接種者全員に対して聞き取り調査を行って公表するのは全国に先駆けた取り組みだという。
アンケートのほか、症状が続いていると回答した人について電話などで聞き取り調査も行ったという。同課は「今回の調査では歩行困難や学校生活に重大な支障をきたすような症状の人はいなかった」と話す。
痛み、腫れ、だるさ生理不順なども
ワクチン接種後に「いつもと違う体調の変化があった」と答えた人は45・6%にあたる818人。症状は接種部位の「痛み・かゆみ」が最も多く659人、「腫れ、あかみ」が493人、「だるさ・疲労感・脱力感」は162人だった。また、頭痛や発熱、手足の痛みや生理不順などを訴える人もいた(複数回答あり)。
症状が出た期間に関しては、「その日のうちになくなった」が72人。症状が続いたと答えた715人のうち、「1週間以内になくなった」が659人、「1週間から1カ月以内になくなった」が45人だった。
現在も変調が続いていると回答した人は11人おり、生理不順が6人、接種部位の「痛み・かゆみ」が5人、「腫れ、あかみ」が4人のほか、頭痛(2人)、発熱、めまい、手足の痛み、吐き気(各1人)という答えもあった(複数回答あり)。
同課は「今回の結果は神奈川県にも報告し、貴重なデータを活かせるように働きかけたい。不安を感じている市民も多いと思うが、情報をしっかり伝えていけるように努めていきたい」と話す。
子宮頸がんは「ワクチン接種で予防できる唯一のがん」とされ、全国の自治体などで接種への助成が進んだ。鎌倉市では11年2月に市の全額負担となり、今年4月からは国の定期予防接種となった。小学6年から高校1年に相当する年齢の女性が対象で3回の接種が必要とされていた。
しかし、厚生労働省は「因果関係が否定できない疼痛が特異的にみられる」などとして、今年6月14日に子宮頸がんワクチンの「積極的な勧奨を差し控える」との勧告を出した。これを受け市でも、通知はがきなどでの「個人勧奨をしない」対応をとっている。一方で「リスクを理解したうえで希望者が接種を受けることは妨げない」としている。
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