本紙「サン・サン家族」の連載でもおなじみの漫画家・小山賢太郎さんが3月8日、深沢学習センターで「漫画家・横山隆一先生の話」と題して講演を行った。
これは鎌倉市生涯学習推進委員会が企画したもの。当日は約30人が集まった。
交流は一本の電話から
鎌倉に居を構え「フクちゃん」で知られる横山隆一さん(1909〜2001)と小山さんが出会ったのは、小山さんが証券取引所のサラリーマンをしながら雑誌、新聞等にイラストや一コマ漫画を掲載していた20代の終わり頃。すでに漫画界の重鎮として知られていた横山さんから「小山君?作品見ているよ。鎌倉に住んでいるなら遊びにおいでよ」と、突然の電話。慌てて自宅に駆けつけ、以来、公私にわたる交流が始まった。
酒をこよなく愛し「飲み方にもプロとアマチュアがあるんだ」と豪語していた横山さん。小山さんと二人で飲む時もウイスキー1本を空けることはザラだったという。
毎年春に自宅で行われる花見会には顔の広さから数百人が訪れ、小山さんも前日から準備に奔走したこと、趣味である鉄道模型や「珍品コレクション」の話など、知られざる素顔をユーモアたっぷりに紹介した。
人生を変えた出会い
「漫画は教えるものではないから」と生涯弟子をとらなかった横山さんだが、小山さんがサラリーマンをしながら漫画が描けるよう、旧知の証券取引所の会長に直談判するなど、多方面から活動を応援。周囲から「横山隆一のただ一人の弟子」と認識されていたという。
ある時、小山さんが「サラリーマンを辞めて漫画に専念したい」と相談したところ「せっかく情報が集まるところにいるのだから辞める必要はない」と止められ、結局定年まで勤め上げたというエピソードも披露。「人生観を変えられた人はたくさんいるが、私の人生そのものを変えてしまったのは横山先生だけ」と振り返った。
講演を聞いた男性は「身近にいた人にしか語れないユニークな話ばかりで興味深かった」と話した。
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