「マナーアップ条例」の制定により海水浴場の風紀改善を目指した鎌倉市。開設期間中に条例に基づいて行われた改善指導は約6200件に上った。しかし周辺住民から多くの苦情が寄せられるなど、なお課題が残る。市は来年度に向けて規制を強化した条例の改正なども検討していく、としている。
7月1日から8月31日の開設期間中に市内の海水浴場を訪れた人は、昨年より約10万1千人(9・9%)減の約92万7千人となった。市観光商工課では「梅雨明けが昨年よりも16日遅かったことなど、晴天日が10日以上少なかったことが影響したが、ほぼ例年通りの人出」とする。
市への苦情約2倍に
「大幅な風紀の改善はなかった。見直すべき部分は見直していく」。8月27日に行われた定例会見で、海水浴場の状況についての認識を問われた松尾崇市長はこう述べた。
今年、海岸エリアの風紀改善を目的に制定された「マナーアップ条例」では、指定の喫煙所以外での喫煙や入れ墨の露出など9項目を迷惑行為として明示した。開設期間中は市職員と警備会社のスタッフが海水浴場を巡回し、迷惑行為を発見した際には改善を求める「声かけ」を行った。
その結果2カ月間で行われた改善指導は、6191件9473人(上表)となった。特に入れ墨の露出と喫煙が突出しており、この2件で全体の約85%を占める。市では「声かけを行うとほとんどの場合で改善されており、一定の効果はあった」とする。
しかし市には、海水浴場に関して昨年の31件を大きく上回る60件の苦情が寄せられた。そのほとんどが「水着のまま周辺を歩いている」「駅に戻る途中でゴミを捨てている」といった若者のマナーなど風紀に関するもの。海の家の音楽イベントなど騒音への意見もあったという。
会見で松尾市長は「今よりも規制をゆるくするということはありえない。今年の結果を総括し、条例改正なども視野に検討したい」と話し、具体的には飲酒や音楽の規制が論点になるのでは、という考えを明らかにした。
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