市内津にある特定非営利法人「聴導犬育成の会(松田治子代表)」が先月、活動25年目の節目を迎えた。2003年に身体障害者補助犬法が施行される以前から、聴導犬の育成、及び普及活動を行ってきた同会。代表の松田さんは「聴導犬の存在をもっと多くの人に知ってほしい。後進の育成にも努めたい」と話す。
聴導犬の存在伝える
聴導犬とは耳の不自由な人と生活をともにし、耳代わりとなる犬のこと。日常生活の様々な音を聴き分け、吠えることなく主人にタッチするなどして知らせるほか、音の発生源まで連れて行く。犬種に決まりはなく、収容施設などから保護された犬の中から適性を見て選ばれるのが主流になっているといい、実際に同会も全国各地で保護された犬たちを引き取り訓練している。現在はトレーナー2人のほかに、活動を支えるボランティアを含め20人ほどで活動している。
「友人の一言がきっかけ」
代表の松田さんが聴導犬育成に携わるようになったのは、幼なじみの「自分の子どもの声が聞こえない」という一言がきっかけだったという。その友人は口話(発音)と読話(いわゆる読唇術)の訓練を積み、「普段は耳が聞こえないことを感じさせなかった」が、この一言で何か自分にできることはないかと強く思うようになったという。その後、イギリスの友人から聴導犬の存在を教わり、その育成、普及のために力を注ぐことを決心した。
「まずは聴導犬とは何かを知ってもらおう」と1990年に「聴導犬育成基金の会」を設立、普及活動を開始した。1996年には「聴導犬育成の会」と改め、育成活動も開始。2004年にはNPO法人の認証を受けた。また、11年には中国で初となる聴導犬育成団体の設立を支援。育成のノウハウなどを伝授し、その翌年には同国初となる聴導犬を現地に届けた。
日本で活躍する聴導犬は現在、全国に54頭。一方アメリカでは年間400頭以上の聴導犬が誕生しているという。社会的認知度の低さが日本での普及の大きな壁となっている。同会では普及活動に欠かせないデモンストレーションを行う「PR犬」の他に、これまで4頭の聴導犬を耳の不自由な人たちのもとへ送り届けた。
25年間の活動を振り返り松田さんは「皆さんに支えてもらって活動を継続することができた。これからは後進の育成にも力を入れていき、聴導犬を世に広めていきたい」と話した。
同会への支援などの問い合わせは【電話】0467・32・4042へ。
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