衆議院議員選挙は12月14日、投開票が行われた。神奈川4区(鎌倉市、逗子市、葉山町、横浜市栄区)では、みんなの党を解党し無所属で臨んだ浅尾慶一郎氏(50)が3度目の当選を果たした。自民党の山本朋広氏(39)も比例区で復活当選。共産党の加藤勝広氏(70)、民主党を離党し無所属で立候補した荻原隆宏氏(44)は及ばなかった。投票率は4区全体で前回より5・25ポイント低い59・17%、鎌倉市では4・92ポイント低い59・97%だった。
「政界再編目指す」浅尾氏
午後8時10分過ぎ、当選確実が伝えられると事務所に詰めかけた支援者からは「浅尾コール」が沸き起こった。迎えられた浅尾慶一郎氏は「厳しい選挙だったが、皆さんのおかげで当選することができた」と安堵の表情を浮かべた。
代表を務めたみんなの党を解党し、初めて無所属で臨んだ今回の総選挙。比例復活のない”背水の陣”だったが、これまで築いた地盤や抜群の知名度をいかし、9万1063票を獲得。集まった支援者を前に「無所属で選挙活動に不利な点はあったが、利害関係が全くない状態で当選できたことは日本の政治を変えていくきっかけになる」と言葉に力を込めた。
選挙戦で繰り返し訴えたのは政界再編の必要性。1強多弱と言われるなか「日本の政治に緊張感をもたらすためには改革勢力を結集するべき。単なる批判ではなく具体的な代替案を示すことが必要だ」とした。
与党が定数の3分の2を上回る議席を獲得したことについて「野党が守りの姿勢に入った結果。今後は政策のもと既存政党という衣を脱ぎ捨て、政界再編を呼びかけていく」と語った。
「重圧あった」山本氏
鎌倉駅前の山本朋広氏の選挙事務所には、開票時間の午後8時を境に次々と支援者らが集まった。「浅尾氏当確」の報を受け、11時前に山本氏が「敗北宣言」。しかし自民党の圧勝が伝えられるなか、支援者の多くは比例区での復活を信じ、開票の行方を見守った。
そして日付が変わった午前0時20分、「当選確実」が伝わると、大きな歓声が上がった。続いて姿を現した山本氏に笑顔はなく、改めて小選挙区での敗北を詫びた。そのうえで「再び国政で働かせていただけることになったので、皆さんの声をきちっと届けていきたい」と話した。
京都2区からの国替えで挑んだ前回の選挙は、浅尾氏に4万票以上の差をつけられた。投票率が約5ポイント下がるなか、4千票近く得票を伸ばし「2年間やってきたことに一定の評価をいただけたと思っている」と振り返った。
選挙期間中は、安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら党幹部が続々と応援にかけつけた。「追い風を感じていたか」と記者に問われると「これで議席を失うわけにはいかない、と大きな重圧を感じていた」とほっとした表情で話した。
与党批判届かず加藤氏、荻原氏
2年前の衆院選に続く立候補となった共産党の加藤勝広氏。党は21議席を獲得する躍進を見せたが、4区では十分に支持を広げられなかった。
本紙の取材に対し加藤氏は「前回に比べ『がんばって』の声が格段に増え、ビラも受け取ってもらえるようになった。消費増税以上に集団的自衛権、TPP、沖縄の基地問題、政治と金の問題等に対する批判があった」と振り返った。
2年前の選挙に民主党から出馬した荻原隆宏氏は8月に同党を離党し、無所属での立候補となった。
集団的自衛権の行使容認反対や脱原発を訴えて1万6千票余りを獲得したが、他候補には及ばなかった。
選挙を総括し「民意なき民意の結果。国民の不安や思いに応える新たな政治の枠組み作りが必要だ」とした。今後については「応援してくれた皆さんが望む政治を実現するために、私自身がどのような貢献ができるかを考えていきたい」として、政治活動については明言しなかった。
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