鎌倉市はこのほど、市内腰越地区の広町緑地に来年4月に開園する予定の「都市林公園」について、当面市が直接管理することを明らかにした。12月16日に行われた市議会建設常任委員会で報告された。これまで同緑地の保全に携わってきた市民団体が、指定管理者の受託を目指していたが、実績の乏しさなどがネックとなった。
広町緑地は腰越地区に広がる約48haの緑地。1970年代に宅地開発計画が持ち上がった際には、地域住民らが反対運動を起こしていた。
市は2003年、同地を「都市林」として保全することを決定。都市林公園としての運営が始まる15年まで、保全を行うために市民有志の団体「鎌倉広町の森市民協議会」が発足し、田んぼの整備や自然観察会等を開催しながら、市と協働で里山風景の再生に取り組んできた。
同団体は都市林公園の指定管理者の受託を目指し、5月に運営方針を刷新した「NPO法人鎌倉広町の森市民の会」を立ち上げた。造園技術の向上など受託に向け準備を進め、9月に市の公募に名乗りをあげた。しかし「財政基盤の弱さ」「公園管理実績の乏しさ」「組織運営の不備」などを指摘され、このほど市の審査で不指定となった。
今回の公募に応募したのは同団体のみで、来年4月の開園後は市が直接、管理を行うという。市都市整備部公園課は「今後、再び指定管理者を公募するかどうかは未定」としている。
同団体は「広大な緑地をNPO団体が管理する例は全国的に稀。それだけの大仕事を担うには私たちの心構えが不足していた結果だと思う。課題を克服していきたい」と話した。同地でのボランティア活動は継続していくという。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|