文化庁は4月25日、鎌倉市が申請していた、鎌倉幕府の成立から別荘文化や鎌倉文士の活躍までを描いたストーリーなど19件が、今年度の「日本遺産」に認定されたと発表した。市は「認定を契機に、世界に誇れる歴史的遺産と共生するまちづくりを進めたい」としている。
日本遺産は、文化庁が昨年度からスタートさせた制度。文化財や史跡を共通の「ストーリー」でパッケージ化することで、保護を目的に個別に指定していた従来の文化財行政を見直し、観光振興や地域活性化を促進するのが狙いだ。
認定を受けると専用のロゴマークをパンフレット等に使用できるほか、情報発信や人材育成に関する事業に補助を受けることも可能になる。
鎌倉市が申請していたのは、”「いざ、鎌倉」〜歴史と文化が描くモザイク画のまちへ〜”と題したストーリー。初の武家政権である鎌倉幕府の成立から、江戸時代中期にはじまった観光地化の動き、明治以降は別荘地として栄え、鎌倉文士と呼ばれる文化人たちが活躍するまでを網羅した。そのうえで「自然と一体となった中世以来の社寺が醸し出す雰囲気の中に、各時代の建築や土木遺構、鎌倉文士らが残した芸術文化、生業や行事など様々な要素がまるでモザイク画のように組み合わされた特別なまちとなった」としている。
今年度は67件の申請があり、4月19日に文化庁で開催された審査委員会で、鎌倉市のほか宮城県の「正宗が育んだ”伊達”な文化」など19件が認定を受けた。
松尾崇市長は「鎌倉市が掲げている『歴史的遺産と共生するまちづくり』を進める具体的施策になるとともに、今年度から特に力を入れている、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた環境整備の強化につなげたい」とコメントした。
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