(公社)鎌倉市シルバー人材センターの理事長に就任した 荒川 祥彦さん 岡本在住 75歳
「意見出し合い活性化目指す」
○…植木剪定や史跡清掃、施設管理などの仕事を元気な高齢者に紹介する鎌倉市シルバー人材センター。その新しい理事長にこのほど就任した。「会員同士互いに意見を出し合いながら、より良い団体にしていきたい。また、活動のPRもしっかり行って会員の増強を図っていけたら」と意気込みを語る。
○…秋田県出身。機械の製造者に憧れ、秋田大学では鉱山機械学を専攻した。卒業後の進路に造船業界を希望していたが「これからの時代は車だ」と父親に勧められ、日産自動車に就職。上京後は長年、関東各地の工場やテストコースで技術者として働いた。50歳を過ぎてから人材紹介会社に転職し、66歳で引退。しばらくはのんびりと生活していたが「家にいて何もすることがないのが恐ろしく感じた」という。そんな時、シルバー人材センターの存在を知り登録。教養センターの事務員として働くことになった。「決まった予定があると精神が安定する、と気付いた。元気な高齢者にとって、センターの役割は重大だね」と笑う。
○…入会して3年ほど経ったころ、「他地域のシルバー人材センターを視察しよう」という企画が持ち上がった。その際「横浜のような大都市よりも規模が近いまちに行くべきだと考えて」比較表を作成し理事会でプレゼン。実際に提案した4地区を訪れることになった。「うるさい奴、って思われちゃったのかもしれない」と苦笑いしつつも2012年から副理事長を2期務めるなど、団体の活動を支え続けてきた。
○…鎌倉に居を構えたのは40年ほど前。現在も岡本のマンションで妻と暮らす。「昔はベランダから富士山が見えたんだけどね」と当時の風景を懐かしむ。娘夫婦が埼玉に住んでおり、2人の孫とのふれあいが何よりも楽しみだ。「夏休みには孫たちが2人だけで遊びに来る予定。今から待ち遠しいですね」と目じりにしわを寄せた。