東日本大震災で津波による大きな被害を受けた宮城県南三陸町。同町に鎌倉のアジサイを植えて、地域に新たな憩いの場を作ろうという「鎌倉アジサイの苑プロジェクト」がスタートから4年目を迎えた。7月中旬には多くのアジサイが色とりどりの花を咲かせ、同町の住民を楽しませた。
これは市社会福祉協議会(梅澤淑弼会長)が中心となって進めているもの。同社協では震災直後から、南三陸町で市民ボランティアらとともに、ガレキの撤去や側溝にたまった泥の除去などを行ってきた。
しかし復興が進むにつれて「新たなかたちの支援を」という声が参加者らから上がるようになったという。そこで浮上したのが、名所の多い鎌倉のアジサイを同町に植えるというアイデア。かつて杉並木が地域住民に親しまれていたものの、津波によりそのほとんどが倒れてしまった大雄寺の参道がその候補となった。
同社協では2013年に市内の寺社や学校などにアジサイの寄付を呼びかけたところ、成就院や長谷寺のほか、清泉女学院などから、700近い株が集まった。同年春には市民ボランティアに地元の造園業者らも加わり、これらが同寺参道に植栽された。同社協ではその後も活動を続けており、これまでに約3千株が植えられたという。
7月25日には、同プロジェクトに当初から関わってきた松中健治市議と上畠寛弘市議が同町を訪問し、開花状況を視察した。
松中市議は「見事に花を咲かせた姿に感動した。これからも震災を風化させず語り継いでいくことが大切」とし、同社協の梅澤会長は「今後はアジサイの時期にお祭りをやったらどうか、という話も上がっている。住民の多くが高台に移転しており、地域の新たな心のよりどころになれば」と話していた。
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