市景観重要建築物に指定されている旧華頂宮邸(市内浄明寺)の保全活動を行う「宅間ボランティアの会」(前川慎一郎会長)は8月16日、鎌倉市景観重要建造物等保全基金へ5万円を寄付した。
「邸宅の維持活用を」
同会が活動する旧華頂宮邸は1929年に華頂博信侯爵の邸宅として建設された、木造3階建ての洋風建築。延床面積約580平方メートル、敷地面積は約4500平方メートルあり、フランス式庭園が特徴となっている。
この邸宅に華頂侯爵と華子夫人が住んだのは完成後わずか数年で、以後は持ち主が度々変わり、戦後はGHQに接収されていた時期もあったという。96年に市の所有となり、2006年には市重要景観建築物と国の登録有形文化財に指定されている。
市の所有となってからは、浄明寺住民による親睦団体「宅間会」が邸宅の維持管理、邸内公開日イベントのボランティアといった保全活動を市と協働で行うようになった。
同会は02年に「宅間ボランティアの会」と名称を変更した後も活動を継続。現在は約70人の会員がおり、邸宅の保全のほか地域の小中学生を対象にした景観ウォークの開催など、歴史・地誌の啓蒙活動にも力を入れている。
今回寄付したのは、同会への支援として寄せられた浄財など。景観重要建造物等保全基金は、都市景観の形成に重要な役割を果たしている建造物を後世に伝えることを目的に昨年度、設置された。前川会長は「旧華頂宮邸のような貴重な建築物を中心に、まちの豊かな環境がつくられている。今回の寄付が、末永く邸宅を維持活用していく一助となれば」と話している。
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