鎌倉市医師会が運営する産科診療所「ティアラかまくら」(小町)で10月16日、2千人目となる赤ちゃんが誕生した。市内の産科不足解消を目的に、2009年2月に設立された同診療所。7年目での大台到達に関係者は「一つひとつのお産に向き合いながら、2千もの命の誕生にかかわることができたことは本当に感慨深い」と話す。
同診療所2千人目となる赤ちゃんとして誕生したのは、藤沢市在住の土橋英泰さん(27)・美咲さん(27)夫妻の長男、直弘君。
前日のお昼頃に美咲さんの陣痛が始まり、約13時間後の16日午前1時50分、待望の産声が響いた。
現在は母子ともに健康で、直弘君は母乳を良く飲みすくすくと育っている。出産に立ち会った英泰さんは「本当によく頑張ってくれました」と妻を労い、美咲さんは「こんなにも愛おしく可愛らしく感じるとは思いませんでした」と腕の中の我が子を見つめる。
高校の同級生同士という土橋さん夫妻は昨年結婚。美咲さんは市内笛田出身で「里帰り出産」のため、産科医院を探していたという。ティアラでの出産を決めた理由について「見学会などにも参加し、一人ひとりをきちんと見てくれると感じました」と話す。
同診療所は助産師による妊娠中から出産直後、子育てまでのサポートに力を入れている。美咲さんも「初めてで分からないことばかりでしたが、助産師さんから丁寧に教えてもらい不安が軽くなりました」と振り返る。夫妻は「ゆくゆくは直弘に兄弟がほしいという話をしているので、その時が来たらぜひまたティアラで」と笑顔を見せた。
医師会運営の産科拠点
同診療所は、市内で分娩可能な施設が1カ所しかなかったことから鎌倉市と医師会がプロジェクトを立ち上げ、2009年2月、全国的にも珍しい「医師会立」の産科拠点として運営がスタート。今年度は9月末までに96人が誕生している。
市医師会の井口和幸会長は「地元でお産が出来ない状況を解消したいと運営を始め、こつこつと取り組んできた。2千もの新しい命を生み出せたことは本当に感慨深い」と話していた。
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